本記事では、このような疑問について書いていきます。
本記事の内容
- 大学無償化の制度とは
- 学部生と院生の違い
- まとめ
大学院に通い、研究をしながらブログを書いています。
こそあど(@ksad510310)と申します。
2020年4月から大学無償化が開始されます。
そこで、多くの人がその無償化の対象に大学院生が入っていない事をあげ、「大学院や博士課程に進学する人のことを考えていない」や 「だからこの国の研究者は減ってしまうんだ」という意見が多く見られました。
そもそも、学部生と院生にはどんな違いがあるのか少し考えてみましょう。
目次
大学無償化の制度とは
大学無償化の制度とは

大学無償化の目的は、
- 金銭的理由で高等教育を受けられない人を減らすことで社会で活躍できる人材を増やす
- 教育費の負担を気にして子供を作らない選択をする世帯を減らす
とまとめられます。
大学無償化の対象となる大学は「大学・短大・高等専門学校・専門学校」になります。
その支援の内容は、
- 授業料等減免制度の創設
- 給付型奨学金の支給の拡充
この二点になります。
文科省によると、低所得者世帯の大学への進学状況を調べると、所得の低い世帯ほど大学の進学率が低いことが分かっている。
この状況を打開するために、この制度ができているようです。
学部生と院生の違い
学部生と院生の違い

4-9.その他、対象学生等の認定に関する要件について
Q67 大学院生は新制度の支援対象になりますか。
A67 大学院生は対象になりません。(大学院への進学は18歳人口の5.5%に留まっており、短期大学や2年制の専門学校を卒業した者では20歳以上で就労し、一定の稼得能力がある者がいることを踏まえれば、こうした者とのバランスを考える必要があること等の理由から、このような取扱いをしているものです。) -文部科学省 より-
このQ&Aで多くの意見が飛び交っていました。
そこで、学部生で卒業するメリットと大学院へ進むメリットを考えていきます。
学部生で卒業するメリット
学部生で卒業するメリット
学部生が4年で大学を卒業するメリットは、
- 大学院生より早く社会で活躍することができる
- 大学に多額のお金を払う必要がなくなる
- 会社に年齢が若いため成長性が買われる
学部生は、院生よりも早く働きだすので、税金やマナーもいち早く覚えられて積み重ねという意味では、2年も長く経験が得られる点はメリットと言えます。
特に、営業や人との関係性が評価される仕事では、人脈が若い時から作ることができます。
また、大学に通う必要がなくなるため、自分のためにお金を使うことができるようになります。
学費などで節約していた人々は、ある程度自由なお金ができるのではないでしょうか。
そして、若くして入社しているので大学院生よりも成長性が買われます。
2年のアドバンテージの間に、多くのことを吸収すれば、大学院生以上に社会で活躍していくことができるでしょう。
大学院へ進むメリット
大学院へ進むメリット
大学院へ進むメリットは、
- 学部生では得られなかった研究の本質を知ることができる
- 論文の読み方、書き方などを学び、情報の手に入れ方の選択肢が増えていく
- インプットしたことをアウトプットする能力を鍛えられる(プレゼンテーション能力が鍛えられる)
- 資料をまとめる能力がつく
- 自身の予定を計画する能力が付く
だと考えています。
学部生では得られなかった研究の本質を知ることができる
私が、学部生の時に学生実験という名目で答えの決まった実験を時間内にこなすように進められました。
この時の私は、紙に書いてある通りに「あれを用意して、これを入れて」と指示通りに作業をこなしていく思考停止状態で過ごしていました。
しかし、自分で調べて、教授の論文も読んでここだ!って決めた現在の研究室では、目的が分からない中でどうやって一歩ずつ進んでいくかという技術を学ぶことができています。
研究は、完成、終了という状態がありません。
だからこそ、どこまでが成果として認められるか自分自身で決めていかなければならないのです。
それが、自分の決定がどう評価されるかも含めてルールを決めていかないといけないのです。
そうして、論文となったり、ポスターとして発表したりできるのです。
論文の読み方、書き方を学び、情報の手に入れ方の選択肢を増やしていく
まず、理系学生ならば研究分野の論文を読んでいきます。
そして、学部卒業時に研究で進んだ成果を論文としてまとめていきます。
その過程で、自分の論文にはこの情報が必要だと検索し、読み込み、上手く引用していきます。
そして、読み手が分かりやすいような構成でまとめていくことで、どのような情報が優れた有益なものかということが次第に見えてきます。
そうして、世に出ている情報の取捨選択をしていく能力が付くと言えます。
インプットしたことをアウトプットする能力を鍛えられる
学部生の間は、多くの講義を受けて座学ばかりで知識をインプットしてきています。
しかし、多くの場合はその知識を発信する機会は与えられていません。
授業体系が、教授の話を聞く、受動的な講義のためどうしてもその後の生活も受動的なものになりがちです。
大学院では、インプットよりもアウトプットを重視した取り組みができます。
主に、研究指針をプレゼンテーションをする能力や自分の研究成果を発表する能力がアウトプットする能力として考えられます。
資料をまとめる能力がつく
学部生では、講義で学んだことをノートや紙媒体で整理してまとめていきます。
大学院生では、実験データと参考論文をどれだけの量になるかわからないけれど積み重ね、まとめていく力が必要になります。
その中で、器用さやまめさなどの個性が出てくると感じています。
自身の予定を計画する能力が付く
実験のデータをいつまでに出して、それを報告会で資料を作って、発表してという段取りを立てていく必要があります。
そのためにも、自身の生活を管理する能力が必要となってきます。
不規則な時間に研究室へ出入りし、思いついたままに実験を始めて、出たデータをまとめずに帰ってしまうというようなことを繰り返しては、いけないということです。
そして、自身の予定を計画する能力は就活の時に活きてきます。
まとめ
まとめ
大学無償化という低所得者への大学生支援制度で、低所得者の家庭の進学率がこの先計画通り増えていくのではないかと思います。
大学に進学する上で、大学院までの優先的な支援は未だされていませんが、これからもしかしたら対象となる可能性も考えられるのではないでしょうか。
そして、学部生と大学院生では、それぞれにメリットがあります。
それぞれのメリットを考慮して、自身の人生が決められると良いと思います。
学部生で卒業するメリット
- 大学院生より早く社会で活躍することができる
- 大学に多額のお金を払う必要がなくなる
- 会社に年齢が若いため成長性が買われる
大学院へ進むメリット
- 学部生では得られなかった研究の本質を知ることができる
- 論文の読み方、書き方などを学び、情報の手に入れ方の選択肢が増えていく
- インプットしたことをアウトプットする能力を鍛えられる(プレゼンテーション能力が鍛えられる)
- 資料をまとめる能力がつく
- 自身の予定を計画する能力が付く