本記事の内容
- 勉強を行う前の事前知識
- 考え方と押さえておくこと
- まとめ
社会人となって日々頭をはたらかせて働いています!
こそあど(@ksad510310)と申します。

先月に来ていた質問なのですが、恥ずかしながら質問を確認していなかったので、約1カ月越しに気づきました。
どうせなので、放射線の5科目について個人的に勉強で気を付けた方が良いことや考えていたことを思い返しながらまとめていこうかなと思います。
第1種放射線取扱主任者とは何ぞや?という方は下の記事から↓

以前全体的な勉強法について紹介した記事はこちら↓


勉強を行う前の事前知識
放射線取扱主任者の法令ってどんなものなのかというと、
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に関する課目
- 試験時間:1時間15分
- 問題数:五肢択一式 30問(60点満点)
といった内容で、30問中18問くらいあっていれば合格範囲内に行けるでしょう。
たいていの場合、試験時間が余る課目です。
なので、しっかり覚えられているかいないかで結果がはっきり分かれてしまう課目といえます。
覚えられていても、嫌なひっかけもあったりするので注意力も重要になります。
問題は
- 条文の穴抜きA, B, C (,D ,E) に適合する組み合わせを選ぶもの
- A, B, C, Dの正しい組み合わせ、間違った組み合わせを選ぶもの
- 標識のマークから正しい組み合わせを選ぶもの
- 「以上」「以下」「未満」「超えて」などの数値の組み合わせを選ぶもの(主にインターロックと自動表示装置などが多い)
といった種類があります。
もっと特殊なものもあるかもしれませんが、ザックリ分けるとこんな感じかと思います。
法令は、一番安定して6割を超すことのできる課目だと思います。
それは、毎年の問題が類似していて、比較的問題の予想がしやすいためです。
何年もの過去問を積み重ねれば、問題の勘所を掴むことができると思います。
その一助となれるような注意すべき点を説明して言いたいと思います。

考え方と押さえておくこと

問題慣れは必要だと思います。それ前提で、問題を解いている時に「数字」と「固有の表現」を意識することです。
全文覚えるとなると無理だとやる気が出ないので、最小限の情報で判断できる「要素」を掴むのが手っ取り早いと感じました。
後は、分類を頭の中でしっかり組めること。第1種、第2種、第3種でのできること。そこから施設ごとの役割など。
基本的に並列されているものは上位から下位の用語(例:特定許可使用者、許可使用者、届出使用者…)なので、そこを意識すると良いかも。
よく出る標識問題や運搬問題は繰り返しで覚えれますが、標識は「貯蔵室」以外の「室」がつくものは下部に記載なしとかの特徴で覚えれば覚えやすいかと、運搬はL型とA型の差をしっかり理解することですかね。
あとは、法令だけじゃないですけど「等価線量」と「実効線量」の混同を避ければうまくいくと思います。
上記が実際の質問者に答えた回答です。
これを踏まえて、主に次の点を深堀していきます。
- 「数字」と「固有の表現」により最小限の「要素」を掴むこと
- 上位概念から下位概念を結び付け、区別したイメージを持つこと
- よく出る問題について
「数字」と「固有の表現」により最小限の「要素」を掴むこと
問題集の問題を解いていると、絶対に正しい記述と間違っている記述を選ぶ基準があるはずです。
なんとなく「これ正しそう、間違ってそう」という判断は博打でしかなく、次に同じ問題が出ても確実な再現性が取れそうにありません。
なので、過去問を解くうちにも「正しいと思う要素」と「間違っていると思う要素」をしっかりと判断することが大事です。
この「要素」の認識が正答率を格段に上げていくコツだと思います。
例えば、
定期確認に関する次の記述のうち、放射線障害防止法上正しいものの組み合わせはどれか。
A 密封された放射性同位元素のみを使用する特定許可使用者は、設置時施設検査に合格した日または、前回の定期確認を受けた日から5年以内に定期確認を受けなければいけない
B 放射線発生装置のみを使用する特定許可使用者は、定期確認を受けることを要しない
C 密封されていない放射性同位元素のみを使用する特定許可使用者は、設置時施設検査に合格した日又は前回の定期確認を受けた日から3年以内に定期確認を受けなければならない。
D 許可廃棄業者は、設置時施設検査に合格した日又は前回の定期確認を受けた日から5年以内に定期確認を受けなければならない。
放射線問題集 第59回 問12
上のような問題が出たとします。
この問題は、定期確認の問題ですが、注目するべきは青でマーカーを引いた「要素」です。
まず、問題文を見た時に「何を」「誰が」「どのような条件で」というのを確認します。
それから特定許可使用者は、
- 非密封の放射線同位元素が使用できる
- 10テラベクレル以上の密封放射性同位元素の使用
- 放射線発生装置の使用
ができるなということを思い出しつつ、放射線廃棄業者は、
- 放射性同位元素又は放射線汚染物の廃棄ができる
とそのままですが思い出します。
次に、定期確認には、「3年」と「5年」の二つの選択肢があることを思い出します。
ここでBの「定期確認を受けることを要しない」という記述は、おかしいと気づきます。
次に、A, C, Dですが、「非密封」「密封」「廃棄」の語が重要で、イメージとして危険な状態の放射性同位元素の方が頻繁に定期点検を行わなければいけないと感じてください。
この中で、「非密封」と「廃棄」の放射性同位元素は漏れ出てしまいそうなイメージをもって一番数字の少ない3年となります。
そして、「密封」や「放射性発生装置」は5年と少し長くなります。
…といったように、要素をとらえて覚え、解答していくことが重要かなと思います。
上位概念から下位概念を結び付け、区別したイメージを持つこと
上位概念と下位概念とは何ぞや?と思うかもしれませんが簡単に言うと、制限の大きいものから制限の低いものの優劣を考えることです。
例で出したものでいえば、特定許可使用者・許可使用者は「使用施設」「貯蔵施設」「廃棄施設」の施設を管理することができますが、届出使用者は、「貯蔵施設」のみの管理となります。
放射性同位元素のベクレル数でみると、
特定許可使用者:密封放射性同位元素 10テラベクレル以上
許可使用者:密封放射性同位元素 下限数量の1000倍を越え、10テラベクレル未満
届け出使用者:密封放射性同位元素 下限数量の1000倍以下
といったように、区別されています。
上位から下位のイメージをしっかりと持つと覚えるのが少し楽になってくると思います。
他にも、
①使用施設内の人が常時立ち居る場所、②管理区域の境界、③工事又は事業所の境界及び工場又は事業所内の人が居住する区域では、
①>②>③ の順に危険ですので、
① | ② | ③ | |
線量限度 | 1 mSv/週 | 1.3 mSv/月 | 250 µSv/3月
(一般病棟では1.3 mSv/3月) |
空気中または水中の放射性同位元素の濃度元素 | 空気中濃度限度 | 割愛 | 割愛 |
密度限度 | 表面密度限度 | 表面密度限度の1/10 |
と①では、頻繁に確認されています。
②、③では危険度の低さから頻度も少なくかつ低量の基準にされています。
このように、まず危険度などで上位から下位を設定し、細かい部分をイメージに即した自身の理解しやすい理由で覚えていきます。
よく出る問題について
質問箱の解答でも少し書きましたが、
標識問題とインターロック・自動表示装置問題は、結構な頻出問題で点の取りどころです。
標識問題は、
- 一番上の文字
- 一番上の文字に付け足されている()の有無
- 下部の注意書き
の3点に注意して覚えれば大丈夫です!
一番上の文字しか書かれていないのは、「貯蔵室」以外の「室」が付いている標識と覚えると良いと思います。
そのほか()のついているものは、管理区域に付け足されている物ばかりなので覚えやすい。
下部の注意書きが「許可なくして立入りを禁ず」と「許可なくして触れることを禁ず」の二つがありますが、後者の方は三つしかないので頑張って覚えてください。
排水設備だけ両方の表記パターンがあるので廃棄設備と貯蔵箱を意識して覚えると良い。
インターロックと自動表示装置は、
インターロック:100テラベクレル以上
自動表示装置:400ギガベクレル以上
と「数字」と「以上」に気を付ければ大丈夫です。
以上で個人的な考え方などの説明は終わりです。
まとめ
質問にうまく解答できているかわからなかったので、少し付け足して記事を書いておきました。
誰かの役に立てていれば幸いです。
私は、法令は簡単だし、アプリでやっておけば大丈夫だろといって最後の方アプリの問題ばかり解いていて他の教科よりウェイトを少なくしていたせいか、あまり得点が良くなかったので皆さんはそうならないことを祈ります。
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- 「数字」と「固有の表現」により最小限の「要素」を掴むこと
- 上位概念から下位概念を結び付け、区別したイメージを持つこと