本記事では、このような疑問に答えていきます。
本記事の内容
- 立ち上げ当初にやっておきたいこと
- 研究室の立ち上げについて
- 研究について
- 就活について
- まとめ
大学院に通い、研究をしながらブログを書いています。
こそあど(@ksad510310)と申します。
私が大学で研究室に所属するとき、新しくやってきた教授が立ち上げた研究室に所属することになりました。
その時の経験を参考に、立ちあげ当初の研究室でやっていったことについて書いていきます。
立ち上げ当初にやっておきたいこと

研究室を立ち上げて、やっておきたいことは次のことです。
- ルールを作る
- 記録を作る
- ロールモデルを作る
ルールを作る
新しく研究室が立ち上がるということは、何も制限がないということです。
教授によってはある程度「ああしなさい、こうしなさい」ということもあるだろうけれども、生活していくにあたって自身の中でルールや習慣というものを作っておくことが大切です。
例えば、「月曜日には、朝来てすぐに研究室の掃除を始める」とか、「コアタイムは決まっていないが5時までは必ず研究室で作業する」とかです。
場合によって実行できないこともあるかもしれませんが、ルールを決めておくことで決断に迷いがなくなります。
部屋が汚くて、誰か掃除しないかなと他人に期待することもなくなります。
そういったセルフコントロールができるようになることが、立ち上げの研究室では必要なのではないかと考えます。
通常は、元々いる先輩たちが受け継がれているルールに則って教えられていきますが、それがないのであればやはり作っておくのが良いのかもしれません。
記録を作る
これは、自分のためでもあり未来の後輩のためでもあります。
研究室にどんな試薬があるのか、どんな器具があるのか確認して記録する。
実験してきた手順をワードにまとめて方法ファイルなどを作りまとめる。
余裕があれば、パワーポイントで図を使って見やすくしてあげるとより役に立つし、見直したときにも思い出しやすいでしょう。
研究室として活動した記録をつけていくのは、後々の就活でも役立たせられる力になります。
ロールモデルを作る
似ているような実験をしている論文をロールモデルとし、再現してみます。
そして、評価する化合物に有効性が見られるのならば、論文に書かれている他の実験も組み立ててみて試してみます。
一つの論文の実験方法が試せたら、また他の論文の実験方法が試せないか探していきます。
そうして、積み重ねたものから論文にしていきます。
研究室の立ち上げについて

私は、学部生の時に研究室に所属することになりましたが、新しく来る企業で働いていた方の立ち上げる研究室に所属することを決めました。
元々は、既存の授業を受けて知っている教授の研究室に所属しようと考えていましたが、所属する研究室をよく吟味した結果、教授のたどってきた経歴が面白いなと思って、就職とか研究内容とか考えずに決めてしまいました。
その後、研究室で研究に取り組むことになり困ったことは、
- 実験器具・道具がない
- 教えてもらえる人がいない
- 知識もない
学部生で研究室の立ち上げに関わるのは、相当に大変なのだと思い知らされました。
実験器具・道具がない
最初、所属したばかりの居室はだだっ広く数人で過ごすには寂しい部屋でした。
生物系の研究室なのですが、実験に必要な器具がそろっていない状態でした。
最初は、まず使う器具の配置から始まりました。
細胞を扱うためのクリーンベンチやインキュベータ、試薬保管用の冷蔵庫やその他小物を教授がいただいたり、買ってきたりしたものを確認していく作業をしていきます。
必要だけど高くて買えないものなど他研究室から古くなったものをいただいたり、周辺の多くの研究室に助けを借りて研究室を作っていくので、所属してからしばらくは研究に入ることすらできませんでした。
教えてもらえる人がいない
教授は、一人で研究室を立ち上げたのですが、それに対して生徒が4人もいたので教えきることができないと言われました。
そのため、実験できるようにはなったものの、講義のように「決まった時間に教える」というような進め方で実験をしていきました。
教えてもらえる人がいないなら、自分から学びに行けという教えもあり、医学・薬学・生物系の教授や外部講師の開催する大学内、他大学内のセミナーにはできるだけ参加していました。
他学部のセミナーは、結構入り込むのは勇気がいりますが、学びたい意欲を持てば受け入れてもらえるものなので自信をもって飛び込んでみることをお勧めします。
知識がない
学生実験もちょろっとしかしていない学部生が、研究室に所属してすぐにどんな実験をしていいかなんてわかるはずもないです。
そのため、知識という点ではとても苦労しました。
最初は、教授の用意してきた実験医学シリーズの参考書を読み込み、原理や実験方法を知り、同期の中で共有していくという繰り返しでした。
また、NCBIやGoogle scholarで論文探索して読み込むという繰り返しも行っていました。
実験方法を知るのには一番の近道じゃないでしょうか?
また、実験でつまずくことがあればYahoo!知恵袋などの質問サイトで聞くという手法も使ってどうにか知識の穴埋めをしていきました。
研究について

立ち上がったばかりの研究室で研究テーマについてこう悩む人もいるかもしれません。
そんな時、どうしたらいいのか?
一人の力で決めていくのはおそらく難しいです。
私の場合、教授がテーマをあらかじめ用意していてくれたため何とかなりました。
もし、テーマがないのであれば、教授の携わっている研究について調べ上げる必要があるでしょう。
研究周辺のキーワードで論文を探し、常に論文で述べられていることに対する疑問や論文中では解明できていないが解明できそうな部分を探します。
もしくは、既存の有効性のある化合物を用いて新規的な誘導体を合成して、そのまま細胞系で評価することが取り組みやすい研究テーマではないかと考えます。
生物の知識と有機化学の知識が必要ですが、一つの手段として考えてもいいのでしょう。
と言いつつも、結局は研究テーマを教授と相談することが、一番ですね。
就活について

就職活動を考えて、研究室を選ぶ人が多い中、新しい研究室に入ってしまったときに考えるべきことは、その経験を活かす行動ができるかどうかです。
研究室の立ち上げという、一般的にはあまり体験できない経験を積めるのでそれをアピールすることを想定して、どれだけ頑張ったかが言えるようにすれば先輩情報がなかったり、就職先の詳しい情報がなくてもやっていけます。
ただ、会社の情報というのは一人で調べることに限界があります。
実際、教授がぽろっといった会社を調べてみたら面白い会社で面接受けに行ってみたという事例も何度かありました。
また、他の研究室の先輩とのつながりを作っておき、尋ねに行くのが一番早いのかもしれません。
大学内で、付近の会社が開催しているセミナーに参加して、どんな研究をやっているのか聞きに行くというのもやっておいて損はないと思います。
まとめ
研究室の立ち上げでは、すぐには実験ができるわけではないということを考慮して選択してください。
研究テーマは、教授との相談で多くは、教授が考えてくれていると思いますが、自分で考えなければならなくなった時、簡易的な評価系から挑戦することをお勧めします。
就職活動では、大きく苦労する点はありません。
むしろ、その経験を活かしてよりよくアピールしてしまいましょう。
しかし、就活情報が遅れることはあるかもしれないので、より早めに動きましょう。
- ルールを作る
- 記録を作る
- ロールモデルを作る