本記事では、このような疑問に答えていきます。
本記事の内容
- 放射線主任者とはどんな資格なのか?
- 放射線主任者の資格を取るメリット
- 試験内容
- まとめ
大学院に通い、研究をしながらブログを書いています。
こそあど(@ksad510310)と申します。
私は、現在第1種放射線主任者という資格を取るための勉強をしています。
この資格が何に役に立つのかを説明していきたいと思います。
放射線主任者とはどんな資格なのか?

放射線主任者とは、
日本の放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(以下、放射線障害防止法)に基づく国家資格の一つである。
放射線障害防止法に基づいた放射性同位元素あるいは放射線発生装置の使用者(一般には法人等を指す)、販売業者、賃貸業者及び廃棄業者(以下、許可届出使用者等)は、同法に基づき、放射線障害の防止について監督を行うために放射線取扱主任者(以下、主任者)を事業所ごとに1名以上選任し、原子力規制委員会に届け出なければならない。
-Wikipedia より-
つまり、放射線を扱うような施設や病院などに、この資格を持っている人がいないといけないわけです。
そのため、放射線を用いた実験施設や病院に勤める方などで放射線主任者の資格を取る方がいます。
私の周りでは、医療関係者、獣医師、薬学科の学生、動物実験で扱っている学生などがこの資格を取るために受けています。
また、地学や物理の研究をしている教員の方もこの資格を取っている方が多いと聞いています。
放射線主任者試験には、第1種と第2種があります。
その点も踏まえて、メリットを書いていこうと思います。
放射線主任者の資格を取るメリット

放射線主任者の資格を取るメリットは、就活において資格の価値を理解している面接官が相手になると評価されることです。
また、この資格は特別な制限がないため誰でも受けることができます。
他には、
- 医療分野や薬剤分野で活かせる
- 就活で失敗したときに、大学や研究所などの資格保持者の募集に応募できる
- 試薬メーカーで活躍できるかも?
医療分野や薬剤分野で活かせる
放射線による治療や検査は、現在多くの病院や動物病院で行われています。
治療用として、リニアックや重粒子線などの機械を用いています。
放射線医学研究所おけるHIMACと言われる重粒子線がん治療装置は、私も見に行かせていただきましたが、とても大きく迫力のある装置でした。
詳しくはこちら → 重粒子線がん治療装置(HIMAC)
また、検査用としてはPET(positron emission photography)やSPECT(single positron emission computed tomography)といった機器で、がんなどの腫瘍や脳の血流状態を観察することによる脳血管障害や心疾患障害などの診断に使われています。
初期の脳梗塞やその他の脳血管障害、一過性脳虚血発作、完全回復性脳卒中、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳腫瘍などが診断でき、脳神経外科や神経内科での治療方針の決定に役立ちます。
–病院の検査の基礎知識 より-
これらの装置を扱うときに主任者として、管理区域での放射線発生装置による事故等防止に努める仕事を行います。
就活で失敗したときに、大学や研究所などの資格保持者募集に応募できる
就活で失敗したときのための保険で取っておくとメリットがあります。
実際、この資格を進めていただいた先輩は現在大学にて資格を活かした仕事で働いています。
また、就職活動中には全国の資格保持者を募集している施設も視野に入れて、もしも理想通り就職活動がいかない場合は一つの手だと考えていました。
試薬メーカーで活躍できるかも?
私が就職活動中、PCR試薬関連の会社にエントリーして工場見学をさせていただいた時に、RI施設が工場内にあったため、なぜだろう?と社員の方に尋ねてみると、
とのことでした。
そのため、もしかしたらPCR関連の試薬メーカーでは、放射線主任者の資格を持っていると少し有利になるのかもしれません。
試験内容

放射線主任者には、第1~3種まであります。
第1種と第2種は国家試験を受ける必要がありますが、第3種は資格講習のみとなっています。
放射線主任者1種と2種の科目は、
- 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に関する課目
- 第一、二種放射線取扱主任者としての実務に関する課目
- 物理学のうち放射線に関する課目
- 化学のうち放射線に関する課目
- 生物学のうち放射線に関する課目
の5科目になります。
放射線主任者第2種は、これらすべてのテストは一日で行われます。
一方、放射線主任者第1種は、二日間に分けてこの科目がテストされます。
第1種 | 第2種 | |
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に関する課目 | 75分 | 75分 |
第一、二種放射線取扱主任者としての実務に関する課目 | 100分 | 75分 |
物理学のうち放射線に関する課目 | 110分 | 120分(物理化学生物合計) |
化学のうち放射線に関する課目 | 110分 | |
生物学のうち放射線に関する課目 | 110分 |
以前までは、さらに物理・化学・生物でまとまった問題が用意されていたのですが、2019年度からそれぞれ個別に割り振られて、科目は減って時間が増えただけという感じです。
この資格は、理科系の分野が得意な人はとりやすい資格だと思っています。
特に物理分野に強い方は、結構楽に取れてしまうかもしれません。
生物やったことがない方でも、生物は暗記で何とかなってしまいます。
しかし、この資格毎年の合格率が20~30%となっているためかなりの勉強が必要かと思います。
なんといっても物理が鬼門なので、私も頑張りたいと思っています。
まとめ
放射線主任者とは、医療現場や工場、大学などの研究施設でも活躍することのできる資格となっています。
この資格を取っておけば、もし就活に失敗したときにも必要とされる場所を見つけることができます。
さらに、就活中にはわかる人には努力が認められるようなそんな資格です。
ぜひ、就活のためやこれからの仕事のためにも挑戦してみてはいかがですか?
- 放射線主任者は第1~3種まである。
- 科目は5科目 (物理 化学 生物 実務 法令)
- 合格率は20~30%だが、難易度的には普通の部類
- 受験条件がないためどんな人でも受けられる