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放射線とは何なのか?どんなことに利用できるのか?

放射線の話を原子力発電などのニュースでよく聞くけれど危ないものなの?

本記事では、このような疑問に答えていきます。

本記事の内容

  • 放射線とは?
  • 実際に利用されている場面を紹介
  • まとめ

大学院に通い、研究をしながらブログを書いています。

こそあど(@ksad510310)と申します。

放射線とは、いったいどういうものなのか?

産業的にどのように応用されているのか?

できるだけ詳しく説明していきます。

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放射線とは?

放射線とは、放射性核種と呼ばれる原子から放出される粒子のことです。

例えば、病院などで検査に使われているPETという機器では、炭素、窒素、酸素、フッ素などの放射性同位体放射性核種として使われています。

公の場では、放射線は生命に危険を及ぼすあまり近づきたくないものと考えられていますが、上手く利用することで様々な未知の現象を解明することに役立っています。

その放射線にはいくつかの種類があります。

主な放射線の種類は、

  • 電磁波放射線
  • 荷電粒子放射線
  • 中性粒子放射線

があります。

 

電磁波放射線

電磁波放射線とは、放射性核種から放出された空間の電場と磁場によって生成される波(波動)です。

電磁波放射線には、三つの種類があります。

  1. X線: 原子の電子遷移により発生
  2. ガンマ線: 原子核内より発生
  3. 放射光: 加速器で発生する高指向性電磁波

一般的に有名なのは、X線でしょうか?

X線は、有名なヴィルヘルム・レントゲンによって1895年に発見されました。

一方、あまり知られていないガンマ線ですが、X線が発見された5年後の1900年にヴィラールによって発見されています。

放射光は、

高エネルギーの荷電粒子(電子や陽電子)が磁場で曲げられるとき、接戦方向に放射される指向性の高い電磁波(赤外線から硬X線まで)

と説明されています。

放射光は、加速器による実験で生じるエネルギー損失に過ぎないと考えられていましたが、この無駄な損失を使う目的で今では、日本存在するSPring-8という施設で利用されています。

 

荷電粒子放射線

荷電粒子放射線は、放射性核種から放出された電荷をもつ粒子のことです。

荷電粒子放射線は、8種類あります。

  1. ベータ線: 原子核の中性子から放出される電子
  2. 陽電子線: 原子核の陽子から放出される陽電子
  3. アルファ線: 原子核から放出されるヘリウムの原子核
  4. 電子線
  5. 陽子線
  6. 重陽子線
  7. 重イオン線
  8. 中間子線

ベータ線、アルファ線は、1898年に物理学者のラザフォードがウランからこの二つの放射線を発見しています。

陽電子線は、1932年にカール・デヴィット・アンダーソンが発見しました。

④~⑧までの放射線は、加速器を用いた実験によって発生する放射線です。

 

中性粒子放射線

中性粒子放射線の種類は1つです。

  1. 中性子線: 原子炉、加速器、核分裂により発生

この中性子を用いて、新たな放射性核種の作成に利用していたりします。

中性子にも、熱中性子速中性子などの種類が存在しています。

 

実際に利用されている場面を紹介

放射線が利用されているっていうと原子力発電所とかじゃないの?

確かに、原子力発電所ではウランを用いたエネルギーで発電を行っています。

原子力発電は、火力発電のボイラーを原子炉に置き換えたものです。
火力発電は化石燃料を燃やして熱エネルギーを得て、これを使って水を沸かし、蒸気の力で蒸気タービンを回転させて電気を起こします。
これに対して原子力発電はウランを核分裂させて熱エネルギーを得て、水を沸かし蒸気の力で蒸気タービンを回転させて電気を起こします。

電気事業連合会 より-

使われている放射線は、中性子です。

ウランが核分裂する際に最初の起爆剤として用いられています。

中性子が当たると、ウランが核分裂して新たに2~3個中性子を作り、別のウランに衝突し…という繰り返しでエネルギーが得られます。

 

この利用法以外にも、

  • PET、SPECT、レントゲンなどの医療機器
  • 化石などの年代測定
  • タンパク質X戦結晶構造解析

などなどあります。

 

PET、SPECT、レントゲンなどの医療機器

PET(Positron Emission Tomography)「陽電子放射断層撮影」

まず、放射性核種であるフッ素をグルコースに結合させたものを患者に飲ませると、グルコースの消費量の多い腫瘍細胞にフッ素の結合したグルコース(FDG)が取り込まれます。

すると、PETを用いることで、体の腫瘍に集まったFDGが放射性壊変を起こして、陽電子を放射し、人体の周りを囲む検出器が情報を断層画像としてコンピュータ処理してくれることでわかるという仕組みです。

SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)「単一フォトン放射断層撮影装置」

こちらも、PETと同様に、患者に放射性核種のついたものを取り込んでもらい、外から検出するというもの。

レントゲン

レントゲンの場合には、人体にX線を放射し、人体がX線をどれほど透過するかで体内の画像が映し出される。

 

化石などの年代測定

化石などに含まれる、放射性核種を検出することで年代を測定する技術があります。

主に、地質学などの分野で使われています。

一般的に使われるのは、放射性炭素による年代測定です。

炭素の質量は12Cで表されることが多いですが、放射性同位元素では14Cを用います。

また、年代測定できるものは、生物に限られています。

それは、

一般に地球自然の生物圏内では炭素14の存在比率がほぼ一定である。動植物の内部における存在比率も、死ぬまで変わらないが、死後は新しい炭素の補給が止まり、存在比率が下がり始める。この性質と炭素14の半減期が5730年であることから年代測定が可能となる。

Wikipedia放射性炭素年代測定 より-

という理由があります。

 

タンパク質結晶構造解析

これは、先ほど出てきたSPring-8でも行われている応用例で、波の性質を持つX線が回折する作用を利用して、タンパク質の立体構造を明らかにしていく方法です。

タンパク質結晶構造解析は、タンパク質の活性部分や結合部分を明らかにすることで病気の原因究明に貢献し、より医療の発展につながります。

タンパク質結晶構造解析について詳しく知りたい方は→タンパク質X線結晶構造解析

 

まとめ

放射線は、放射性核種と呼ばれる原子から放出される粒子で、

  • 電磁波放射線
  • 荷電粒子放射線
  • 中性粒子放射線

の3つの分類に分けられ、さらに電磁波放射線3つ荷電粒子放射線8つ中性粒子放射線1つに分けられる。

応用されている場面

  • PET、SPECT、レントゲンなどの医療機器
  • 化石などの年代測定
  • タンパク質X戦結晶構造解析