本記事はこのように考えた時に読んだ書籍について書いていきます。
本記事の内容
- 著者の紹介
- 内容説明
- 学生視点で大事なところ・気づき
- 本書内紹介書籍
- まとめ
大学院に通い、研究をしながらブログを書いています。
こそあど(@ksad510310)と申します。
ブログにおいて、文章は店頭に並ぶ商品と同等の価値のあるものです。
そんな文章をよりよく見せるためにはどんな書き方をしたらよいのかと考えた際に出会った本について紹介します。
読んでほしい人
- 文章を書くのに悩んでいる学生・社会人
- 誰かに伝えるための文章を書きたい人
著者の紹介
本日紹介する本は、外山滋比古氏の「知的文章術 誰も教えてくれない心をつかむ書き方」です。

この本は、私の好きな外山滋比古氏の著書で他の書籍は他記事内でも少し紹介しています。

外山滋比古氏は
- 思考の整理学
- 読みの整理学
- アイデアのレッスン
などなどの多数の著書があります。
この方の書きぶりというのは、読んでいて心地の良さを感じます。
一文一文が重くなくてとても読みやすいため、一種の短編小説を読んでいるかのようにするりと体の中にしみこんできます。
そして、ユーモアのある文章を書き、読み直しても面白いと感じるため手元に置いておきたい書籍です。
読んでいて「あっ!」と当たり前だけど気づかない事や昔の出来事を引用してわかりやすい説明を書いているので、それにかかわる私の気付きを書いていこうと思います。
内容説明
本書は、人の心を打つような文章を書くにはどのような工夫、心構えをすると良いのか具体的に書いています。
しかし、前提として
ことば遊びが目的の場合は別として、人の心を打つような文章を書くには書く人の心がこもっていなくてはならない。
つまり、文章に上達するには、心を練る必要がある。
-p.4-
と述べています。
まず、本書を読むうえで押さえておきたい重要な概念ですね。
本書は、
- 文章を書く心構え
- 読まれる文章のコツ
- 心をつかむ構成
- 今こそ手紙の力を
- あとがき:美しい言葉
の構成で書かれています。
それぞれの章が、一つのテーマでエッセイとして書かれています。
そのため、読み始めやすいし、途中で読むのをやめても読み戻りやすいです。
また、前もって序章で述べていますが、本書はあくまで心構えを書くという趣旨が強いように感じます。
文章を上手く書くテクニックについて学びたい場合は、

こちらをお勧めします。
学生視点で大事なところ・気づき
学生である私が読んでいて大事だ、心惹かれた部分を少し紹介したいと思います。
大事なところ・気づき①
著者の書きぶりの真骨頂は、そのたとえ話のうまさです。
1章では、料理の話から始まるのですが、”文章”と”料理”の照らし合わせが非常にきれいで納得のいく説明がされています。
料理は作った人も食べる。味見や毒見もする。しかし、料理は食べてくれる人がいなくては張り合いがない。
何を言っているのか、わからないのでは料理ではない。スープなのか、みそしるなのかわからないのでは食べる方は迷惑である。
文章が料理だとすると、ある程度、栄養があり、ハラもふくれないといけない。見てくれだけの料理というものがあるが、本当に相手のことを考えていない。
-p.12 6行、p.13 1行、6行-
などなど秀逸な例えがあり、本質的な文章とはこうあるべきというものを示してくれています。
料理のように、おいしいと思えるような文章を書きたいものです。
大事なところ・気づき②
学生としては、1章の「案ずるよりは書いてみる」にて書かれている内容はまさに心当たりがありました。
卒業論文を書くにあたって、
というような不安が襲い掛かってくるときがあります。
そうして、嫌な仕事を後回しにして書き始めるのが遅くなってしまう。
それに加えて、改まった文章を書かなくてはいけないという思い、完成形を思い描いてしまうため書き始めることができない。
そんな時には、書きだしてみることが大事で、切羽詰まって書かなきゃと焦るようでは書きたいことは書けないんだと気づきました。
大事なところ・気づき③
とても印象に残る話だったのが、2章の「長文と短文」で書かれている内容でした。
普段、文章を書くときにその一文の長さを気にすることはありますか?
長すぎても一文を把握するのに時間がかかるし、短くても少し物足りなさを感じるのではないかと考えます。
本書では、それはスタイルだから一概にどちらがいいとは言及していません。
しかし、長文というのは総じて接続詞や助詞の使い方が難しいです。
「~が」、「~は」などの主語に付ける助詞を上手く使えない人が長文を書くと本当にわかりにくい文章になるのだと本書を読んで思い知りました。
そのため、文章はなるべく短いセンテンスに区切って書くことを著者は意識しているようです。
実は、私も影響されてなるべく短く文章を作るようにしています。
気づかれましたでしょうか?
大事なところ・気づき④
3章の「一口に言えること」では、論文やエッセイなど何か一つのテーマを掲げて書く文章があるときに覚えておいた方が良い話をしています。
それが、
あるイギリスの学者のことばに、文章の主題は「ひとつのセンテンスで表現できるものでなくてはならない」と言っている。この主題、テーマが書きたいことである。
-p.126 7行-
学生がまず論文などを書こうと思うと、そのテーマとなる物を長く説明する人がいる。
そうではなくて、短くまとまったことが言えるようになるまで考えなくてはならないということを主張している。
これは、「長文と短文」での話と同様に短くまとまっている方が、余計な情報も入らず純粋に伝わりやすいのかなと考えました。
それに、前記事の理科系の作文技術と同様に、できるだけ要点を短くまとめることが是とされていることからもこの主張が常識となっているとも考えられますね。
これから、さらに意識していこうと思います。
本書内書籍紹介
本書で、外山滋比古氏が紹介していた書籍を紹介しようと思います。
次に読む本の候補になりますね。
- 谷崎純一郎 『文章読本』
- 黒柳徹子 『窓際のトットちゃん』
- 清水幾太郎 『論文の書き方』
- 『文章規範』
- マーチン・ジョーンズ 『五つの時計』
- 夏目漱石 『文学論』
気になったのは、これらの作品ですね。
特に、夏目漱石の『文学論』にまつわる、化学者・池田菊苗とのエピソードは初めて知りました。
別分野の二人が、意見を交わし、インスピレーションを得た結果執筆したという『文学論』はまた時間があったら、ぜひ読んでみたい作品です。
まとめ
外山滋比古氏の書籍は、本当に味が濃いのにするりと飲めてしまうスープです。
何度読んでも学びのある本なのでぜひ読んでいただきたいです。
そして、よい文章を書きましょう!
大事なところ・気づき
- “文章”は”料理”のように上手い例えでわかりやすく書く
- 不安に思う前にまず書き出してみる
- センテンスはできるだけ短く、伝わるように書く
- 主題が短くまとめられるまで考える